日本工業大学建築設計競技
第36回日本工業大学建築設計競技【課題発表】
課 題:その土地に 開いて/閉じる ワンルーム
審査委員:
安田 幸一(東京工業大学教授/安田アトリエ主宰)
小川 次郎(日本工業大学建築学部建築学科 教授)
吉村 英孝(日本工業大学建築学部建築学科 准教授)
提出期限:2022年8月31日 消印有効
入賞発表:2022年9月中旬 ホームページ上で発表
応募要項:こちらからダウンロード(設計条件等をよくご確認ください)
※4/26更新:応募要項を掲載しました。
※4/13更新:課題文に一部修正がありました(下記参照)
家にふたつ同じものはありません。仮に同じ形の家が存在したとしても、全く同じ土地は存在しないので結果的には異なる家になってしまいます。家の土地の形状、地形や方位はもちろんのこと、周辺環境、風習によっても家は大きく変わります。気候については、天気の良い日には庭や周辺環境の景色を眺め、空気の入れ替えをするために開放的な窓が欲しい時もあれば、台風などの時は雨戸などで閉鎖的な空間にしてじっと耐えることもあります。地球温暖化によって家にはますます相応の強度が求められるようになりました。外部環境にどのように応答できるか、その土地の性格を読み込み、どれくらい家を環境に対して開くか、あるいは閉じるかを考えることは、家そのものを設計する行為に他なりません。
内部空間においては、家は住んでいる家族のひとりひとりの行動を最大限許容しなければいけません。家族や友人と一緒に過ごしたい時もあれば、一人集中して仕事や勉強するために籠りたい場合も出てきます。コロナ時代にあって、家の中であってもパブリックとプライベートの両方の使い方を家は強く求められるようになりました。
すなわち家には、その土地の外部環境の時間的変化や家族形態、行動の変化、そしてコロナ時代にも呼応し、それらを受け入れることのできるフレキシブルで包容力のある器であることが望まれています。
とすれば、様々な要望を満足するためには、広大な土地と大きな家があれば良いのですが、日本の厳しい住宅事情からなかなか許されることではありません。ワンルームの家は、最大限の空間を確保し、工夫次第では個の空間のプライバシーも十分に確保できます。有機的な小さな空間のつながりをつくることも有効な手段です。また、縦方向の空間の変化をつけて立体的なワンルームとすれば、高低差での温度変化や風も発生し、住宅内での新しい居場所を創り出す可能性が生まれます。
家族で共有する大きなワンルーム空間で家を設計してください。若い夫婦と幼い子供の3人を想定します。環境に対して開いて/閉じることができる、家族同士の生活や心も開くときもあれば、閉じることもできる家です。家の平面は10mx10m以内、高さ10m以下を最大ボリュームとします。家が建つ土地の形状、周辺環境、気候風土は自由に設定し図面に明記してください。時節柄、断熱性能も大切ですが、家全体の換気、空気の流れ、温度差も考慮して、自然と共に暮らすことも想定してください。
【4/13更新:課題文の一部修正】
修正前:全く同じ土地は存在しないので全く異なる家
修正後:全く同じ土地は存在しないので結果的には異なる家
修正前:若い両親と幼い子供の3人を想定します
修正後:若い夫婦と幼い子供の3人を想定します
Related Posts