日本工業大学建築設計競技
[4/24更新]第37回日本工業大学建築設計競技【課題発表】
[4月24日 更新内容]
・応募要項をアップロードしました。
・本学審査委員を追記しました。
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課題:10人家族の家
審査委員:
中川 エリカ(中川エリカ建築設計事務所主宰/慶應義塾大学大学院 専任講師)
木下芳郎(日本工業大学建築学部 教授)
吉村英孝(日本工業大学建築学部 准教授)
提出期限:2023年8月31日 消印有効
入賞発表:2023年9月中旬 ホームページ上にて発表
応募要項:こちらからダウンロード(設計条件、提出図面等をよくご確認ください)
[課題]
本来、家は、そこに暮らす人々の考え方・生き方を下敷きにしながら、千差万別であるべきではないでしょうか。たとえ家族の人数が同じであっても、家族が違えば暮らし方は違うはずだから、間取りも、家の形も、違って然るべきだと思います。
しかし、nLDK という単語とともに、商品としての家が流通するようになって久しい昨今、多くの家は、みんな似ています。まるで、家族が3人であればこの間取り、おひとりさまならこの間取り、というように、半自動的に暮らし方を強制されてしまうかのようです。
そこで、今回の建築設計競技では、nLDK という単語が想定する間取りには到底あてはめられない家族構成を前提とすることで、私たちがまだ知らない、けれども、そこに生きる人間の暮らしを応援する、唯一無二の家を設計して欲しいと思います。
家族=家に集まる人間の集団=あるテーマを共有したコミュニティ、として再定義することから、新しい家のかたち、使われ方を提案してください。
1、
家族の人数は10人とします。家族の構成は、自由に設定してください。
10人の家族は、通常の血縁関係の家族を想定し、父母+8人兄弟の核家族でも構わないし、祖父母+父母+6人兄弟でも構いません。
もしくは、血縁関係に縛られず、祖母+介護士+(父母①+2人の子供)+(母②+1人の子供)+母②の会社の社員2名、というように、多様な家族構成を設定しても構いません。
(この場合、例えば、母①と母②が姉妹で、母②は自分でカフェを経営するシングルマザー、母②の会社=カフェのスタッフは仕事場として日中のほとんどをこの家で暮らし、仮眠するための場所も確保されている、というイメージです)
現実的な設定でも、特殊な設定でも構いませんが、若い世代の皆さんが、「どういうまとまりを家族だと思うのか」、ぜひ積極的に提案してください。
2、
家の広さは自由です。
ここでいう広さとは、「建物の広さ」ということでもあり、「どの範囲を家と呼ぶか」ということも含みます。(例えば、漁師さんは自分の家という建物を超えて、港の作業場も海辺全体も家のようなものとして捉えているかもしれません。)
家族構成から読み取れる(想像できる)、もしくは、しっかり再定義して明言する、いずれかを提案書に盛り込むことが望ましいです。
3、
必要に応じて、普通の家にはない機能を含んでも構いません。
かつての家では、仕事(生業)の関係者が出入りしたり、医者が出入りしたり、出産や冠婚葬祭が行われたり、寝食以外の、人間が生きると自然と巻き起こる実に多様な活動が受け止められ、多様な人々が出入りしていました。つまり、家とは、単体で完結する存在ではなく、同じ行動の繰り返しに留まるのではなく、そもそも柔軟に開かれていたのだと言えます。
10人という、通常よりも多い人数が暮らす家では、そもそも出入りする人間が多く、また、訪れる友人や知人、届く宅配物など、家族と関係する人・物・情報の量も、通常よりも多いことが想像されます。
10人という人数を、家を開きやすくするヒントと捉え、本来、家とはどのような場所であるべきか、設計を通じて提案してください。
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